「ねー、しょう!しょうってば!」
たまが一生懸命揺さぶっている。

「たま、どいて。」
りながしょうの前に立ったかと思うと、、

バッッッッチィイィーーン

「ギャーァァ!!」

「まって、まぢ痛い、やばい、死ぬ」
しょうのほっぺたには真っ赤な手のあとが残っていた。

「で、その太陽の塔まで行くわけ?」

〈さすがりさ、分かってるじゃん〉

りさは皆にドヤ顔をしていた。


「え、でもあの塔まで歩いても1時間はかかりそうだよ。」

〈テレポートならあっという間に…〉


ボッケー

〈あんたら、テレポート出来ないんだった…。じ、じゃあ、ホウキで!〉

「え、ホウキ!?ホウキがいい!!」
たまのワクワク度はハンパじゃない。

〈じゃあ皆、頭の中にホウキを思い浮かべて!〉

『よしっ!ウーーン』

ポンッ! ポンッポンッ! ポンッ!

周りを七色の光が包んだ。

なんと不思議な事に、皆1人ずつ、カラフルなホウキが目の前に出た

…1人をのぞいては。

「あ、あれ?」

「?しょう、ホウキは?」
りさが嫌味たっぷりに言ってきた。

りさは緑のホウキにまたがり、ホレホレと見せてくる。

りなが赤いホウキ、あゆのが青色、たまが黄色など、各自色違いのホウキが目に映る


〈君が報告にあった劣等生か…〉

「な、なんだよ劣等生って!」

〈君たちがココにいられる条件は、魔湖に湧いている水、魔法水を月ツボに入れて、そのツボが割れたら少しは魔力があるという意味なんだ。〉

『へぇ〜』

(あ、たしかに僕割れてない…。ヒビが入っただけだったな…)

〈そう、しょうはヒビが入っただけだから、1番魔力の低いクラス、ルビークラスの中でももっとも魔力が低いんだ。〉

・・・。

『キャハハハ!アー、アハハッ!!!』
皆が爆笑している。

「そ、そんなぁ!?」

〈この国は、人間界でいう中学1年生、つまり、12.13歳の人がソレイユ学園に通える資格でもあるんだ。〉

「じゃあ何歳まで学校に通うんだ?」

〈こご、いい質問だね。学校へは6年間通うんだ。クラスは2クラスしかなくてね、上級クラスのエメラルドクラス、君達、低級クラスのルビークラスなんだ。〉

『ふーん』

「はい!質問しつもーん!」
りさがウキウキしながら聞こうとした。

〈質問は後で、まとめてルビー先生に聞いて!それよりも、ホウキに乗れるやうにしなきゃ!〉

「あ、そーだった」 キャハ
りさはバカっぽく笑った

〈じゃあ皆、浮いてるホウキにまたがってー、そのまま頭で浮けっ!と念じて。〉

すると皆は、たちまち宙に浮いた。

「うわー、飛んじゃったよ♡」
なおは足をパタパタして喜んでいる。

〈皆、上手いうまい!宙に浮けたら後は自分の行きたい方向に向かって頭で考えるだけ!…じゃあ、行こーか!〉

「ちょっとまてーい!」

全員しょうのことをさっぱり忘れていた。

〈すまんすまん!じゃあ…しょーがないな〉

ブツブツ…と何かを唱えたかと思うと、また七色の光が周りを包み込んだ。

その光が消えたと思うと、目の前には背の高い、キレイな美少年が立っていた。

「おいなお、このイケメンはワシのもんじゃ。手出すなよ。」

「何を言っとるりさ、このイケメンにはワレがお似合いじゃボケ。」

いつものショートコントだ。

「あ、にじさん!カッコイイねー!」

『・・・!?』

その瞬間、たま以外の6人は円陣をくんだ。

「あいつ、ついに頭が…」
「あの子に限ってそんなこと…」
「いや、たまきだからこそ…」

「やめろやゴラ」
たまのナイスツッコミがはいる

〈さすがたま、アニマルタイプだね!〉

「そ、その声はにじ!?」
「つか、アニマルタイプってなに」

皆が一斉に残念そうにする

〈まぁ、それも後で説明するから!今はとにかく太陽の塔に行かないとルビー先生に怒られちゃうよ!〉

それはマズイと、みんなホウキにまたがった。

「し、失礼しゃーす」
しょうはオドオド後ろにまわる。

〈じゃあ、太陽の塔へ……〉




『レッツゴー!!!!』