「お嬢様に何か御用だったのでは?」
博人が軽く睨んでくる。
「特に御用と言う事は…。」
答えに困っていると、いきなり教室へ戻された。
博人が初音を掴んでいない手で扉を閉める。
「え?」
初音の腕を離すと、睨んでいた眼が優しくなった。
「初音さん、ダメですよ。お嬢様の邪魔をしては。」
「そんな、邪魔だなんて…。」
初音は苦笑いを浮かべる。
ジリジリと博人が一歩ずつ詰め寄ってくる。
「クラスメイトとはいえ、お嬢様の邪魔をされるようでしたらお仕置きをしなければなりませんね。」
「お、仕置き?」
さらに距離を詰めてくる。
博人が一歩近づくと、初音は一歩下がる。
博人がさらに一歩近づくと、初音はまた一歩下がる。
「あっ。」
後ろに下がれない。
背中と壁が密着してしまった。

