結局、ショウ君とは何者なのか分からないまま初音はぼんやりと教室から窓の外を眺めていた。 夏。 ジリジリと太陽が校庭を照り付ける。 今日も暑くなるな。 そんな事を考えていると、校庭の脇の花壇で1人の男子生徒が花に水やりをしている姿が目に入った。 また、水やりしている。 もう何日も前からその姿を窓から見ている。 毎朝、同じ時間に欠かさず水を与えている。 誰なんだろう? 初音は疑問を抱いたまま教室を出て花壇に向かった。