『いよいよ、今日でこのブログは最後になる。姫達、今まで本当にありがとう!』
沢山の他の姫達が別れを惜しむコメントを入れる中、琴音はぼんやりとその書き込みを眺めていた。
一週間、何事も無くブログは更新され記事がアップされていたのだが、琴音はコメントを入れていない。
前日、初音から言われた。
「明日、元樹君最後の日。もう元樹君とショウ君が同一人物かなんてどうでもいい。私は悔いの残らないように自分の思いを伝えようと思う。」
姉さんは、直接思いを伝えることが出来るからいいよね。
私なんて、所詮ブログを通してでしか思いを伝える事が出来ない。
ネットの中のアイドルに憧れたから仕方がない事かもしれないけど…。
姉さんは、同一人物かどうかなんてどうでもいいって言うけど、私はそうはいかない。
もし、もしも本当に元樹君とショウ君が同一人物だとしたら、私の思いを元樹君に伝えなければならない。
私だって自分の思いを最後に伝えたい…。
琴音はふいに自分の席を立つと、そのまま2組へと向かった。
休み時間なので、教室の中はパラパラと数人が雑談をしているだけだ。
琴音はその教室の一番奥で次の授業の準備をしている元樹を確認すると、すっと傍まで近づいた。
人の気配を感じて元樹が顔を上げると、真剣な顔をした琴音が立っている。

