「今日は美樹さんは?」
「美樹は今、華道に行ってるんだ。」
「博人君はついて行かなくてもいいんだ。」
「俺は美樹の彼氏であって、執事ではないからね。」
だからお嬢様、ではなくて、美樹って呼び捨てにしてるんだ。
屋敷の中の渡り廊下を奥へ奥へと案内されて、初音は一番奥の部屋に辿り着いた。
「どうぞ。ここは俺の部屋だから。」
「博人君ってこの屋敷に住んでいるの?」
「そうだよ。」
「執事じゃないのに?」
「執事じゃないけど彼氏だからね。」
「彼氏だから、彼女の屋敷に住んで、彼女と同じ学校にいく為に転校したの?」
「そうだけど。」
何を聞いても平然と答える博人に部屋の中のベッドに座るように促される。
言われたままにベッドの縁に座ると、さりげなく部屋全体を見渡してみる。

