放課後。
琴音は1人、真之から教えられた西大寺美樹の家の前に来ていた。
3メートルはあるだろう白い外壁が遥か彼方までそびえ立っている。
そして、入口は大きな鉄の門がしっかりと閉じられている。
さすがは西大寺グループの豪邸だけあって、侵入するのは不可能だなぁ…。
あわよくば塀を乗り越えようと考えていた琴音の目論見は見事に崩れ落ちた。
「ん?」
右手から何やら音が聞こえて来たので顔を向けると、真っ白なリムジンがこちらに向かって走ってきている。
「キャサリンが帰ってきた。」
すぐに近くの電信柱に隠れる。
リムジンは鉄の門の前に止まると、すぐに後部座席から博人が出て来た。
回り込んで、反対側の後部座席の扉を素早く開ける。
彼氏の立場になっても彼女をエスコートする為に執事のような事するんだね…。
切ない思いで見ていると、ゆっくりと真っ青なドレスを着た美樹が車から降りてきた。
「どうでもいいけど、真っ青なドレスしか洋服持ってないのか!?」
いつ見ても、出会っても真っ青なドレスを着ている。
デートの時も制服を着ていく初音といい、周りの人間の洋服の乏しさに琴音自身が虚しくなってしまった。

