廊下から1組を覗くと、休み時間なので花子も初音もいなかった。
次の休み時間にまた来るか…。
琴音が自分の教室に戻ろうと歩き出した瞬間、声を掛けられた。
「初音さん、教室に戻らないんですか?」
「私、琴音ですけど…。」
訂正しながら振り返ると、目の前に西大寺美樹の執事、真之がニコニコと立っていた。
初音だと思い軽く声を掛けた真之の顔がみるみる青ざめる。
「あれ?あなたキャサリンの執事…。なんでうちの学校にいるの?」
先日、琴音に部室で軟禁された事がよほど怖かったのだろう。
琴音が尋ねても、ぶるぶる震えて答えようとしない。
「この前の事は悪かったわよ。謝るから、ね、この通り。」
頭を下げながら両手を合わせる。
「ほ、本当に悪いと思ってるのですか?」
「もっちろん。」
顔を上げてニコリと笑うと、次は急に腹黒い顔になってニヤリと笑った。
「で、何であなたがここにいるの?教えてもらうかな?」
「ひぃぃ…。」
真之は再び琴音に連れて行かれる事となった。

