「何もしてないよ。」 「へ?」 「だから、何もないよ。」 平然と答える。 「何、が?」 「何って、今、あの赤いドレスの花子さんと教室でイケナイ事してたの?って聞いてきたじゃん。」 やばい!? 私、また心の声が漏れてた? いやいやいや、仮に声が漏れていたとしても、イケナイ事とか、体を密着させてとか、思ってないし。 ふと急に思いついて、小走りに茂みに駆け寄る。 そっと上から覗き込む。 「やっぱり…。」 琴音が丸くなって隠れていた。 「出て来なさい。」 「イテテ。」 妹を引っぱり出した。