「ほう…、ああいう人が好みなんだね?」
突然、初音の隣から声が聞こえた。
驚いて自分の右側を見る。
「あんた、いつからそこに居たの?」
琴音が虫眼鏡でその男子生徒を覗きながらニヤリとする。
「初音君も隅に置けないねぇ~。」
「あんた、何キャラ?」
「おやおや、初音君、顔が赤いですな。」
琴音が虫眼鏡越しに今度は初音の顔を覗き込む。
「も、もう。な、何言っているのよ。」
明らかに慌てながら、初音は琴音の顔を太陽に向けた。
「ギャー!!」
「ん?そこに誰かいるの?」
男子生徒が悲鳴に反応して2人の方に顔を向ける。
その直前にサッと屈んで茂みに隠れた。

