年が明け、冬休みも明けた教室で担任が深く息を吸い、ゆっくりと吐き出してから静かに言った。
「とても、残念なことです……」
担任の話したことに教室は一気にざわつき、僅かな沈黙とすすり泣く声に包まれた。
「黙祷――――」
世界の端って、何処なんだろうね……。
あの日、彼女が言った言葉に、今の私ならこう返しただろう。
世界の端なんて、ないんだよ。
みんな世界の真ん中にいるの。
それは、誰も独りにならないためなんだよ。
真ん中にいれば、必ず隣には誰かがいる。
だから、あなたの隣には、いつだって私がいる。
あの頃伝え切れなかった思いを胸に、私は彼女が飛び立った空を仰ぐ――――。



