「すみません、翼先輩。サツキ先輩借りますね」


急に声が聞こえて、パッと視界が暗くなる。


誰かに抱きしめられている。


それが誰なのか分からない。


「今のサツキ先輩の好きな人は俺なんで、後から奪わないでくださいね」


グッと腕を引っ張られたと思えば、やっと見えた彼の顔。


「上杉君、なんでっ……?」