Side~サツキ~ 多分、私は欲張りだったんだ。 自分が好きな相手だったから、どんな手を使っても手に入れたかった。 「翼、何してるの?」 パソコンを真剣に見つめている彼、安藤翼。 見た目も頭脳も完璧。 会社からも期待されてる人材。 私の中学からの好きな相手。 「資料が終わらなくて」 困ったように眉を下げて、首後ろを触る。 それは、私だけが知っている翼が本当に困ってる時の癖。