私は知ってる。 鼻を掠めたあの匂いも、この温もりも。 「翼さんっ……」 息を切らしている翼さんがここにいる。 「ごめん。遅くなった」 安心して全身の力が抜けていく。 それを翼さんが支えているような体制になった。 「大事な人に手を出されて、黙ってる程俺は出来てないから。早くどっか行ってくれる?」