「約束、ですね」 私も翼さんの小指に自分の小指を絡める。 「嘘ついたら、どうしよっか?」 「‥‥離婚ですねっ」 私がはにかんで笑うと、翼さんもはにかんで笑った。 「それは、やだ」 スルッと絡んだ小指が離れ、私は翼さんの腕の中におさまる。 「遥」 「翼さん」 ただ、お互いの名前を呼んだだけなのに今までとは少し違って聞こえた。