「遥。俺は愛想も良くないし、他人の気持ちなんてわからない」 「はい、知ってます」 翼さんはいつも口数なんて少ない。 翼さんはいつも他人の気持ちを優先してしまうけど、本当の気持ちなんて気付かない。 「これからも遥のことを泣かせたりもするだろうし、きっと、悩ませる」 「それは困ります」 「ほんと、困らせてばかりになると思う」 ゆっくりと、翼さんの手が私の頬を撫でる。 やっぱり、温かい。 「触れたい、抱き締めたい。余裕なんてないから、抑えも効かなくなる」 「………はい」