遡ること昨日の20時。


ガチャっと音をたててリビングのドアが開く。


「お帰りなさい」


「……ん」


疲れきった様な顔をしたスーツ姿の彼は安藤翼さん、24歳。


私の小さな頃からのお兄ちゃん的存在。


そして、私の片想いの相手。