丘の上には階段で登れるようになっていた

暗くて足元が怖いなって感じていたら、翔が手を握って先導してくれる

すごく照れくさい…

恥ずかしいな…


「はい、着いたよ〜」

「わぁ…キレイ…」

上を見上げれば、満天の星空が広がっていた

「あっ流れ星!」

「こんなに沢山…」

「キレイでしょ?」

「現実なのに夢の中にいるみたい…」

「この感じ好きかも…」

「翔さんは流星群が観れるときは毎回来てるんですか?」

「まぁそうだな

天気が良くて空が綺麗に見えるときは

だいたい来てるかな」



「ねぇ、ハナ?」

「えっ?」

「翔さんってのと、敬語やめない?」

「もういいだろ」

「俺のことは翔でいいって病院で言っただろ?」

「それに敬語も使う必要ないから」

「OK?」

「えっでも…」

「いいから翔って呼んでみて」

「いま?」

「そう、今」

「翔…」

「やっと呼んでくれたね」

「ありがと、嬉しい」


「なぁ、ハナとの出会いは思いがけない出会いのカタチだったけど
俺は何ヶ月も前から歌ってるハナの姿を遠くから見てた」

「何かひとりでは抱えきれないものを

ひとりで抱え込んでいるんだって

ずっと前から感じていた」

「俺にできることがあるなら力になってやりたいってずっと思ってたんだ」

「今、こうやってハナと一緒に居れるから
俺はもっとハナの近くで支えたい、そして力になってやりたい
ひとりで抱え込まないで痛みを半分、分けてほしい」

「だから、俺のそばにいてくれないか?」

「俺の彼女になってほしい」


わたしは自分で気づかぬうちに涙をこぼしていた

この人なら信じられる気がする

色んな不安もトラウマも乗り越えられる気がする

翔にそばにいてもらいたい

というかそばにいてくれる人は翔がいい