緩んだ顔を引き締めようと、両手にお湯を掬い顔を洗う英美。

どんなに顔を洗っても、緩んだ顔が引き締まらない。

結婚したことがこんなに嬉しいことだと改めて知る。

ゆっくり心と体を癒した英美はお風呂から上がり、居間で瑛樹が帰ってくるのを待った。

弘樹は『放っておけ』と言っていたが、どうしても英美には出来なかった。



十二時過ぎても戻ってこない瑛樹。

それでも、英美は待ち続けた。

中学生がこんな時間まで出歩いてることに心配する。