英美ばかりがいっぱい話して、弘樹は『ほうかほうか。』と相槌を打つだけ。

それでも英美は嫌な顔をせず、話し続ける。

二人が初めて対面して数時間が経った。



外を見れば日は暮れており、辺りは暗い。

「ご飯でも…行きませんか?」

緊張が溶けたとはいえ、やっぱり女から誘うのは恥ずかしい。

英美は俯き加減で弘樹を誘った。

「じゃ、行こか。」

弘樹はそう言って立ち上がり、伝票を持ってレジへ向かった。