英美は机を拭き始めながら弘樹に聞いた。

「…すいません。
しっかりしていると思っていたもので、案外…
クックックッ…」

途中まで普通に話していた弘樹だが、思い出したかのように笑いが込み上げてきた。

弘樹は腹を抱え笑っている。

その笑顔はあまりにも無防備で、無邪気な笑顔だった。

そんな弘樹の姿に英美も釣られて、笑いだした。

静かだった店内が一気に、笑い声に包まれた。



出会いから数時間―――



二人の仲は確実に近づいた。