小さな店内に響き渡る大きな音。

「すいません。
すいません。」

頻りに頭を下げる英美。

手を伸ばした時に、前にあった水の入ったグラスに手があたってしまったのだ。

倒れたグラスの口は弘樹の方を向いており、弘樹のズボンは色が変わってしまった。

あたふたする英美を見て、弘樹は突然、笑いだした。

弘樹の姿に英美も山下さんも手が止まり、呆気に取られている。

「森山さん?
どうされました?」