朝起きて、寝るまでの時間ずっと、頭の中を占めているのは、弘樹の笑顔。

寝ているときでさえ、夢にでてくる、弘樹の笑顔。

人を好きになると、ありもしない偶然を想像し、期待する。

もしかしたら…

頭の中では、ありえないとわかっていても、心の中でちょっとぐらい…

そのちょっとが膨らみ、期待に変わる。

英美はその期待に、胸を踊らせて毎日、外に出る。

偶然があるかもしれないと…

期待すれば
期待するほど
心が踊る。

だけど、現実は思ってるよりうまくはいかないもの。

街で偶然、弘樹に会うことなんてありえない。