これを聞かされて、英美は寝る時間を削って考えた。

布団に入っても眠ることが出来ず、毎晩、考え続けた。

その英美が出した答えは…

出産という道。

自分の命よりも大切なもの…

それがお腹の子供。



「弘樹さん。

先生…」

英美は二人の顔を見て話しだした。

「私の命は、この子に比べたら短い。

癌がどんな病気かは知りません。

知る気もありません。

ただ、後一年の命なら私の全てをこの子に託します。」