おろしたての真新しい薄いピンクのパジャマに身を包み、生まれたばかりの赤ちゃんを抱く英美。

ベッドの脇には弘樹が座っている。

そして、弘樹の膝の上にはおとなしく座っている愛美の姿。

外は冬になろうとしているのに、家族四人が揃い暖かな空気が漂う病室。

「名前、考えましたか?」

赤ちゃんを暖かい目で見つめながら、優しく言葉を出す英美。

英美は赤ちゃんを抱いた時に、いくつかの名前が頭を過ったが、あえて口にはせず弘樹の考えを聞こうと思った。