「当たり前やんけ。」

素っ気なく答える弘樹。

「失礼します。」

英美はそう言って助手席のドアを開け乗り込む。

車を走らせて五分。

弘樹は前を見据えて、黙々と運転を続ける。

「どこへ食べにいきますか?」

沈黙に耐えられなくなり、どこに行くのか気になり、英美は思い切って言葉にした。

前を見据え、表情一つ変えない弘樹。

そして、英美の質問にも答えない。

英美は心の中に、複雑な思いは残ったものの、あえて深くは追求しなかった。

車を走らせて一時間。