「どうすれば女の気って引けんの?」

「何?最近嫌み多いよね?」
直は昨日と同じようなお弁当を広げている。

「だから…」

「わかったよ。違うんでしょ?何?振られちゃった?」

「昨日…告ったらさ…」
直にだけ本当の事を話した。

友達はいない。おれがモテるのをひがんでか誰も話し掛けてこない。
もう慣れっこだった。



「いつか、そうなると思ってたけどね」

「どういう意味だよ?」

「だって陽塚さん?の言うとおりで梗君は顔だけの所あるでしょ?それってやっぱりダメだと思うよ。もっと気を遣ったりしなきゃね」

「女なんかに気を遣ってどぉすんの?」

「そんなんじゃ、本当の付き合いなんて出来ないよ」

「じゃあおれが今まで全然本当の付き合いをしてないって事か?」
つい声を張り上げてしまった。

「そうだよ。だって半年も持たないじゃん」

実際に本当の事だった。
いつもは告白されたら付き合って、飽きたら別れる。
そういうのが多かった。
だけど、他にいっぱい女がいるから…
なんて考えを持っていた。