「おれ、バスケ部に入るから」
仮入部から一週間後。陽塚由紀に報告した。
「頑張ってね。梗君」
「応援してるよ」
それぞれが高野さんと八木さんの答え。
「あっそ」
聞きたかった答えは素っ気無かった。
けど、気にはしなかった。これからで変えてやる。そんな気持ちが大きかったから。
「最後に聞くけどさ…本当に入るの?」
「なぁに言ってんだよ?ちゃんと一週間。練習に参加したろ?」
職員室の前で確認された。
「任しとけって。直の心配性も重症じゃね?」
おれは職員室に入って顧問を呼んだ。
「えーと…魅月梗」
手渡した入部届に目を通してブツブツ呟く。
「それで、中学は何部だっけ?」
「テニスっす」
「そぉか。それじゃあ素人だな?」
「はい」
「厳しいと思うけど頑張れよ。もう、いいぞ」
職員室を出ると、直と高野さんと八木さんがいた。
「あれ?どしたの?」
「いや、今あってさ。話しそてただけだよ」
直が代表してそう言った。
だけど実際どうでも良かった。アイツの姿がないのがちょっと残念なだけ。