「わぉ。海聖くんもついに大胆な行動に出たね。言葉で通じないなら、行動で示そうとしたんじゃない?」




「そうなのかなー……」




心愛に言われて、そう思いそうだけど。




なんか違う気がした。




私の異変に気付いて優しくしてくれた、みたいなそんな感じがした。




そんなわけないか。




「……か!………ゆか!………繭歌!」




考え事をしてて、心愛に呼ばれているのに気が付かなかった。




「…え、あ、ごめん!どうしたの?」




どうしたのかと聞くと、心愛はゆっくりと私の手を指差した。




「……さっきから頭押さえてるけど…どうしたのかなって」




心愛に言われてハッと気付く。




私いつの間に頭なんて押さえてたんだろう。




誰にも心配させないように普通にしてたのに。




私は慌てて頭を押さえていた手をとった。




「あ、これは海聖のことで悩んでたからだよ!だから何でもないよ!」




心愛に迷惑かけたくなくて、私は笑顔を見せた。