次の日。
今日もまた海聖にあの言葉を言われるのか。




そう思いながら家を出る。




玄関にはいつものように海聖が待っていた。




「…おはよう、繭歌。今日も……」




いつもの言葉を言いかけて止まった。




言わないから逆にびっくりした。




顔を上げると、眉をハの字にしてる海聖。




どうしたんだろう?
何か悲しいことがあったのかな?




「…か、海聖?どうし……」




海聖にどうしたのか聞こうと思ったら、いきなり肩を抱かれた。




ギュッと私の肩を抱く海聖の手に力が入る。




「…ちょっ、ちょっと海聖!?
は、離して「学校が見えたらやめるから」




私に有無を言わせない海聖の静かな声色。




分かるよ。
この言い方は言うことを聞けっていうことなんだよね?




こうなると海聖は私の言うことなんて聞いてくれない。




私は学校が見えるまで、海聖の体に身を預けることになった。