「狐さんは優しい人。やっぱりあってるなって思いました。 だってこんなに優しい人だから」 虹春は消えかけている足を気にせず、我に笑いかけた。 そして、我に一枚の紙を渡した。 「お母さんの手紙です。 …あたしを幸せにしてくれた、お礼です」 「虹春…」 「もう一つ、お礼です」 最後、消えかける中、かろうじて聞こえた。 「あたしのお母さんの名は…桜空です」