「能力?」 「この都を治める者、この程度の能力は使えるさ」 かかか、と銀髪の男の人は笑う。 「まあ、この都での時間は長い。ついて来い」 言われるがまま、1つの部屋に案内される。 「少し休め。そしてゆっくり知っていけばいい。この都のことを」 「、あのっ、貴方は?」 月光が眩しいくらいの夜。 そんな月光を浴びながら。 「我が名は、琥珀《コハク》だ」 琥珀さんは、また大人びた笑みであたしを包んだ。