「琥珀様?何故このような場所に?」 中に入ると、狼の妖の和良《カズラ》が言った。 「虹春がここを見たいと言ってな」 「虹春…とは?」 「彼処にいる人間だ」 我が指差すと、和良は少し悲しそうな笑みを浮かべた。 「…桜空様に似ていらっしゃいますね」 「ああ」