「琥珀様、あのお方のお召し物が出来上がりました」 「ご苦労だったな」 「いえ。では、失礼致します」 桜空の時と同じように、我は夜又に着物の新調を頼んだ。 それは虹春によく似合っていた。 「琥珀さん!この城の下へ行ってみましょう!」 「この下は家臣たちが住まう場所だぞ?」 「いいです!早く行きましょう!」 我は、半ば強引に家臣たちが住まう『花柳《ハナヤナギ》』へ向かった。