『我ら妖《アヤカシ》は、人間ほど体温が保てなくてな。こうやって珠羅の花に頼っているんだ』 『…不思議』 ―――― ――――――― 「…ほら」 「え?」 「都に来た記念だ。やる」 我は、珠羅の花を人間に渡した。 すると、人間は、ふわっと笑った。 「あったかい…」