にじいろなみだ




「珠羅《タマラ》という花だ。女性の髪飾りに良く使われるんだ」


「そうなんですか…」


「やはり」


琥珀さんはあたしの髪に触れて笑った。


「似合うぞ、桜空」


「ありがとうございます!」


あたしは珠羅の花に触れた。


瞬間。


「え…」


「ん?どうした?」


「珠羅の花が…暖かいです」


花はもう摘み取られているのに、暖かい。