にじいろなみだ




「お、案外早かったな」


琥珀さんはむくっと起き上がると、クイッと手招きする。


あたしはそのとおりに近づく。


「座れ」


「はい」


言われた通りに座っていると、上から「いいぞ」と言われた。


「鏡。見てみろ」


すっと琥珀さんに渡された鏡を見ると。


「わあ…っ」


見たことがない綺麗な花が、髪に飾られていた。