にじいろなみだ




夜又さんが居なくなると、琥珀さんは夜又さんが持ってきた箱を開けた。


「ほう。いい出来だな」


「着物ですか?」


箱の中に入っていたのは、綺麗な着物だった。


「桜空、竹取物語を知っているか」


「?はい」


琥珀さんは着物を出しながら言った。


「竹取物語に出てくるかぐやが最後に着ていた“羽衣”があるだろう」


「あ、あの天に昇るときに着ていたものですよね?」


「そうだ。まぁ、この着物はそのようなものだと思ってもらって構わない」