太陽のあいつ《完結》

気持ちが盛り上がる俺に対し、
田中は俺の席に来ると
教科書でポンと頭を叩いた。



「ここから読んで!」



そして、
教科書の一行目を指差す。


胸がドキドキした状態で、
教科書に目を向ける。


古文なんて
どうでも良いよ。


胸の高鳴りをどうにかしたい。


俺は突っかかりながらも、
そのページの文章を読み終えると席についた。


教科書を読んだから、
ドキドキしたわけではない。


アツシと目があって、
一気に鼓動が早まったのだ。


またアツシの背中を眺め、
気が付いた頃には…
古文の授業も終わっていた。