太陽のあいつ《完結》

1時間目の授業が始まり、
俺はアツシの背中から
目が離せなかった。


背中から何かジワ~と
温かいものを感じる。


そして、
ずっと見ていたいと
思ってしまう。



「池上くん!!
次のページから読んで!」



古文の田中が声を上げた。



「ん??ひゃい!!」



突然、
自分の名前を呼ばれたので
声が裏返ってしまった。


そんな俺に、
教室中が大笑いをする。


アツシも振り返り、
そして…一瞬目が合った。



あ…、
俺の存在に気付いたかな…



笑われるムカつきより、
アツシに気付いてもらえたことが嬉しかった。



この教室に俺がいたのを知って、
どう思ったかな…