「左じゃないよ!!
右行って、T字路を左だから!!」



アツシの笑顔は
太陽に照らされて、
キラキラと輝いていた。


俺は軽く苦笑いを浮かべると、
言われた通りの道を早歩きで進んだ。


マンションから離れ、
恐る恐る振り返ると
アツシの姿はもう見えなくなっていた。


ホッとする気持ちと、
何故か…寂しい気持ちが込み上げる。



何だよ…
この気持ち…



空を見上げると、
昼下がりの太陽にちょうど雲がかかっていた。


まるで、
今の気持ちが分からないように…
太陽が意地悪したようだった。