恋人たちの笑い声、囁く声、
そして通りすがりの人の足音…
雑踏の中で
俺はアツシに
今の気持ちをぶつけた。



「アツシ…
俺、やっぱり
アツシと離れたくない。
このまま日本に居て。
ずっと日本に居てよ。
何で行かなきゃならないの??
ね?何で?」



アツシは黙ったまま、
涙目で訴える俺のことを見ていた。



時が止まり、
沈黙が流れる。



アツシは
俺から視線を外し、
小さなため息をついた。