太陽のあいつ《完結》

両手にコーヒーを持ったアツシが
「おまたせ~」と歩いてきた。


一つを俺に渡すと、
となりに腰を下ろす。



「ここのイリュミネーション、
綺麗だろう~。
ケイタと一緒に見たかったんだ」



アツシはそう言いながら、コ
ーヒーに口をつけた。



「……アツシ。
やっぱり行くの…?」


「…え?」


「カナダ…。
ホントに行くの?」



背中を丸め、
コーヒーを見つめたまま呟いた。