「あ!そうだ!
これ、母さんがアツシに…だって」



カバンから、
大きな弁当箱を取り出した。


今朝、
「アツシくんにも渡して」と
弁当を二つ渡されたのだ。



「マジ?良いの?!」


「ああ!
母さん、アツシには
頑張ってもらいたいって言っていたから」


「ホント、嬉しいよ~
後でお礼言わなくちゃな!!」



うちですき焼きをしてから、
アツシは何度かうちに来ている。


飯を一緒に食ったり、
家にも泊まったり。


アツシは恋人であり、
兄弟みたいな感覚になっていた。


学校でも家でも
アツシに会える。


そんな現実は
今の俺には、
めちゃくちゃ嬉しかった。