太陽のあいつ《完結》

「アツシに話があるんだ」



雨音がする玄関で
沈黙が流れる。


アツシは少し考えた後、

「とりあえず、上がれよ。
そんなに濡れたら…
風邪ひくぞ…」

と、俺を部屋に通してくれた。


20日ぶりに訪れた
この部屋。


アツシの匂いがする
この部屋。


妙に懐かしい。



「これ、使えよ…。
あと、これに着替えろ」



アツシから
バスタオルとTシャツを受け取ると、
頭を拭き、
濡れたワイシャツと制服のズボンを脱いだ。


そんな様子を
チラチラと見ながら、
アツシは何か言いたそうにしている。