太陽のあいつ《完結》

マンションにたどり着き、
アツシの部屋の前で
一息つくと、
インターフォンを押した。



♪ピンポーン



「はい」



インターフォン越しに
愛しい声が聞こえる。



「……アツシ
俺、ケイタ…。
開けて!」


「……」



すると、
ガチャと鍵の開く音がして、
アツシが顔を覗かせた。



「…ケイタ。
どうしたんだよ?
そんなに濡れて…」



ビショ濡れになった髪から
水が滴り、
雨なのか、
汗なのか分からないものが
頬を流れ落ちた。