太陽のあいつ《完結》

屋上に目を向けると、
ナオキがこっちを見ているのが
見えた。


俺は大きく手を振り、
合図を送る。


ナオキは少しホッとした顔で
手を振り返してくれた。



ナオキ…
話してくれてありがとうな…。



俺は坂を勢い良く下り、
アツシの住むマンションへ
自転車を走らせた。


途中、
通り雨が降り出し、
強い雨が全身を打ちつける。


ビショビショに濡れながら、
俺は無我夢中で自転車を漕いだ。