太陽のあいつ《完結》

母さんは
眉間にシワを寄せながら、
サオリのことも心配していた。


姉ちゃんは救急箱を部屋に持ってくると、
コットンに消毒液を含ませた。



「あんまり
心配かけないで…」



悲しそうに言う母さんに、
俺は頷く。


母さんが部屋から出て行った後、
姉ちゃんは背中の傷に
消毒液をつけてくれた。



「ケイタ…。
今回は助けてくれた人が
いたから良かったけど…。
もしケイタが死んだら、
あたしもお母さんも悲しいんだよ」


「あぁ…

  うん…」


「うちら、
3人だけの家族なんだからね…」


「うん…」



傷口に薬も塗り、
さっきよりも
ヒリヒリ感が治まった。