太陽のあいつ《完結》

シャワーの音が
かすかに聞こえる部屋で
俺は一人テレビを見ていると、


♪ブーブーブー


ケータイの
バイブが鳴り出した。



あぁ、サオリ…



風呂場に目を向け、
少し罪悪感もあったが、
アツシはまだ出て来ないだろうと思い、
ケータイの受信ボタンを押した。



「…はい」



横目でチラチラと
風呂場を見てしまう。



「ケイタ…
電話なかったから、
サオリからかけちゃった。
もう家だよね?」


「うん…。
今、電話しようと思ってたんだ…」



俺って嘘つきだな…