「痛そうだな…。
引っかき傷って痕残るからな…」


「ちょっとヒリヒリするけど、
大丈夫だよ」


「そっか。
今日は頑張ったな」


「え?何が?」


「何がって…。
サオリちゃんのこと
一生懸命助けていただろう」


「あぁ…
でも、最後はアツシに助けてもらったけどね…」


「お前が必死に頑張ってた顔は、
俺がちゃんと見てたから大丈夫だよ!」



アツシはそう言うと、
俺の頭に手を乗せた。


そして、
その大きな手で
俺の頭を優しく撫でてくれる。