太陽のあいつ《完結》

意識したわけではないが、
お互いの人差し指が触れた瞬間、
どちらからとも無く
強く絡み合う。


置いてあるカバンに
ちょうど隠れた
俺たちの指は
どこからも見えない。



指を絡めながら、
海を眺める俺たちを
太陽はどう思っているかな…。



ハーフパンツから見える脚を眺め、
アツシのほうが少しだけスネ毛が濃いことを発見。


タンクトップから見える肩を眺め、
俺のほうが黒く焼けていることを発見。


そんな小さなことでも
俺は嬉しいんだ。


何も言葉はいらない。
指からの感触に
アツシの気持ちが伝わってくる。